日時: | 2008 年 8 月 11 日(月) 14:00 - 15:00 |
場所: |
京都大学大学院理学研究科 5 号館 318 号室, 東京大学本郷キャンパス理学部 1 号館 807 号室, 神戸大学 自然科学総合研究棟 3 号館 506 号室奥のセミナー室, 宇宙研, 大阪大学, 東海大学, 東京工業大学, 国立天文台, 名古屋大学, 北海道大学 低温科学研究所 (ビデオ会議システムを用いて中継予定) |
講演者: | 瀬戸 雄介(神戸大学) |
タイトル: | 始原的隕石から発見された重い酸素に富む物質 |
abstract: |
酸素は太陽系システムにおいて固体を構成する最も存在度の高い元素であり、そ
の同位体組成は、物質の起源、生成環境を知る重要な手がかりを与えてくれる。 特に、コンドライト隕石に含まれるCAIと呼ばれる難揮発性物質の酸素同位体 を調べると、δ17Oとδ18Oが、比を約1に保ちながら、0‰から-50‰に分布すること が知られている。このような同位体の不均質性は、蒸発や凝縮、拡散や溶融など といった通常の物理プロセスや化学反応で生じる質量依存同位体分別効果では説 明することはできず、16Oに富む"重い"リザーバと、16Oに乏しい"軽い" リザー バの混合過程があったかのようにみえる。"軽い"リザーバを反映するものがCAI だとすれば、"重い"リザーバを反映した物質は存在するのだろうか。 近年、始 原的な炭素質コンドライトAcfer 094から、著しく重い酸素 (δ17,18O ~ +180‰) を含む物質が発見された。この物質は10ミクロン程度のサイズでマトリックスに 点在しており、Fe, Ni, O,Sから構成されている。O/S の比はほぼ一定で約4を示 すが、Fe, Niの量は相補的である。本セミナーでは放射光X線回折 (SR-XRD)や透 過電子顕微鏡(TEM)といった物質科学的な手法によるこの物質の観察結果とそこ から予想される生成条件について発表する。 |