日時: | 2009 年 8月 3日(月) 10:00 − 12:00 |
場所: |
北海道大学理学 8 号館コスモスタジオ, 神戸大学自然科学総合研究棟 3 号館 508 号室, 千葉工業大学 (ビデオ会議システムを用いて中継予定) |
講演者: | 佐藤 毅彦(ISAS/JAXA) |
タイトル: |
雲の下を「透視」する金星探査:Venus ExpressとPLANET-C |
概要: |
金星は厚い雲に全球を覆われているため、その雲より下の様子を探る
のは容易ではない。しかし、1980年代終わり頃、近赤外線波長に大気
「窓」が発見され、リモートセンシングにより中下層大気を研究する
ことが可能となった。二酸化炭素の光吸収が弱まる「窓」波長では下
層の高温大気が発する赤外線が宇宙空間へ漏れ出し、金星「夜面」で
それを観測することができるのである。
その「窓」を利用した最初の探査機はGalileoで、木星へ向かう途中、
1990年に金星をフライバイし、夜面で複雑な「雲のシルエット」を
捉えた。21世紀になり、ESAのVenus Expressが2006年に金星に到着、
「窓」を利用した連続モニターを行う最初の探査機となった。そして、
2010年には日本のPLANET-Cが金星に向けて打ち上げられ、その主力観
測はこの「窓」波長における中下層大気の観測である。本セミナーで
は、「窓」の生じる原理を説明し、Galileo - Venus Express の
成果を紹介、そしてPLANET-Cにかかる期待を解説する。 |