日時: | 2009 年 10月 19日(月) 13:00 - 14:00 |
場所: | 神戸大学自然科学総合研究棟3号館 609 号室 |
講演者: | 小林 浩 (イエナ大学, ポスドク) |
タイトル: | 破壊を考慮した惑星形成 |
abstract: | 微惑星から原始惑星へのステージにおいて、原始惑星が火星程度のサイズになると、その強い重力で周りの微惑星を振り回すため微惑星の衝突速度が非常に大きくなる。その結果、微惑星同士の衝突で微惑星は破壊され、その破片同士が繰り返し衝突する(衝突カスケード)。破片は 1 m程度になるとガス抵抗によって中心星に落下するため、取り除かれる。そのため、原始惑星の周りの天体の面密度を低下し、原始惑星の成長が遅くなる。天体の衝突・破壊を表現する破壊のモデルは室内実験や数値シミュレーションを基に構築されているが、衝突天体の物質依存性や構造依存性などがあるため、まだまだ不定性がある。そこで、衝突カスケードの破壊モデルの依存性を解析的に調べ、定量的にモデル依存性を示すことができた。さらにこの解析を、破壊を考慮したときの原始惑星の質量を見積もることができ、質量分布を考慮した統計的シミュレーションと一致する結果を得た。 破壊を考慮したときの原始惑星の最終質量は火星質量程度だが、ガス惑星を形成する臨界コア質量(〜10地球質量)に比べ、小さすぎる。破壊が起きたときでも原始惑星が更に成長を可能にする他の効果も議論したい。 |