日時: | 2012 年 6 月 20 日(水) 15:00-16:00 |
場所: | CPS セミナー室 |
講演者: | 伊藤 純至 (東京大学) |
世話人: | 高橋 芳幸 |
タイトル: | ダストデビルの数値的再現と生成メカニズムの考察 |
要旨: |
晴天時の日中、砂漠などの裸地では、地表面付近にダストデビル(塵旋風)と呼ばれる、小スケールの鉛直渦の発生が頻繁に観測される。数値的に再現した理想的な対流混合層でも、ダストデビルに対応する渦の生成がみられる。そのためダストデビルの生成は対流混合層に普遍的と考えられる。 ダストデビルを再現した計算結果に基づき、ダストデビルの生成メカニズムの考察を行う。従来のように、渦度収支によってダストデビルのもつ鉛直渦度の生成を捉えることは、活発な乱流を伴う対流混合層では容易ではない。本研究ではダストデビルを横切るような物質面を仮定し、物質面内の渦度の面積分である循環に着目した。物質面の変形を数万本の後方流跡線によって追跡し、循環を調べ ると、地表面付近の広い水平面に分布する循環が収束し、大きな鉛直渦度を形成していた。分布する循環の統計的性質をみると、対流混合層はダストデビルの形成につながる循環を常に内在していることがわかった。 |
キーワード: | 惑星大気, 地球, ダストデビル, 乱流, 対流 |