大気水圏科学特別セミナー 10月に COE-PD として着任した、はしもと氏と高橋氏による研究紹介です。 他分野の方も是非ご来聴下さい。 また、セミナー終了後には二人の歓迎会を催す予定です。こちらにも分野を 問わずご出席頂ければ幸いです。 日時: 10月21日(火) 15:20〜17:00 場所: 大気水圏科学研究室セミナー室 (自然科学3号館508号室(506号室の奥)) はしもとじょーじ「金星地表の観測〜活火山と花崗岩の探索〜」 金星はその全面を分厚い雲と大気で覆われており、その 地表を観測することが難しい.しかし近年、近赤外域に ある特定の波長では、地表から射出される熱放射が雲上 まで漏れ出ていることが明らかとなった. 本発表では、この地表を観測できる近赤外の窓を利用し て、金星に活火山と花崗岩を探索する方法について検討 した結果を発表する. 活火山は金星の気候形成において非常に重要な役割を果 たしているものと予想されているが、まだその存在は確 認されていない.そもそも、太陽系で活火山の存在が確 認されている天体は地球とイオ(木星の衛星)の2つしか なく、発見するだけでも面白い. 一方、花崗岩はこれまで地球でのみその存在が確認され た岩石である.この花崗岩が金星に発見された場合には、 金星の古環境を制約することができると考えられるので あるが、その詳細は発表で説明する. 高橋芳幸 「火星大気中の太陽同期一日潮汐波の特徴と循環に対する効果」 これまでの探査機による観測から、火星大気中に存在する熱潮汐波の振幅は非 常に大きいことが知られている。この大振幅の熱潮汐波は大気大循環の中の重 要な要素の一つであると考えられ、これまで精力的に研究が行われてきた。今 回は、火星大気大循環モデルと線形応答モデルを用いて、熱潮汐波のうちの一 つである太陽同期一日潮汐波の特徴とそれが循環に及ぼす効果について調べた 結果を発表する。