大気水圏科学関係の集中講義の御案内です。慌しい時期です が、興味のある方はどうぞ御聴講下さい。 開催場所: 自然科学研究棟第3号館5階西奥・大気水圏科学セミナー室 (1)「熱帯域中層大気の力学と物質循環」 2003年12月25日(木),26日(金) (2)「中間圏・下部熱圏(MLT)大気の変動」 2004年1月28日(水)〜29日(木) (3)「気象力学における非線形問題」 2004年1月31日(土)〜2月1日(日)(2004年1月17日修正) %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% (1)「熱帯域中層大気の力学と物質循環」 講師: 高橋 正明(東京大学気候システム研究センター・教授) #高橋教授は数値モデル・シミュレーションを用いた大気大循環研 究の第一人者であり、最近は物質輸送、気候変動、さらに古大気 や惑星大気に至るまでの研究を進めています。 日程: 2003年12月25日(木)10時〜11時半、13時〜14時半、15時〜16時半 26日(金)10時〜11時半、13時〜14時半 内容: 大気大循環モデルの基礎からこれを用いた波動・平均流相互 作用,赤道中層大気力学やオゾンなど気候変動に関わる物質の 輸送について論じる. 1 基礎方程式や気象場の形態について -時間の相も含めて気象を眺めるための道具- 2 赤道中層大気を眺めること 3 赤道波(重力波も含めて) -擾乱表現の1つの方法- 4 波の励起、シアー流の中の波動伝播や臨界層について 5 赤道域での波の平均流への作用 -大循環への役割としての準2年振動などの話し- 6 熱帯域の不安定について -成層圏中の傾圧不安定、慣性不安定、K-H不安定など- 7 物質循環とオゾンなどの分布 (2)「中間圏・下部熱圏(MLT)大気の変動」 講師: 中村 卓司 (京都大学宙空電波科学研究センター・助教授) #中村助教授は流星レーダー・VHF帯大型(MU)レーダー・レーザー レーダー(ライダー)観測の中心的研究者であり,天文台からアマ チュアまでを組織した流星研究会の中心メンバーでもあります. 日程: 2004年1月28日(水)〜29日(木) 内容: 地球大気中もっとも低温で、かつ平均流の小さい中間圏界面と中 心とするこの領域は、実は静穏ではなく下からは海面や対流圏起源 の変動、上からは太陽活動、熱圏を起源とする変動、さらには地球外 物質の流入による変動など様々な次空間スケールの変動が見られ、 それらの相互作用も盛んな複雑な領域である。本講義では、電波や 光によるリモートセンシングにより明らかにされつつあるMLT領域の 構造と変動を詳述する。 1.中間圏・下部熱圏の構造 2.中間圏・下部熱圏の観測法 3.大気潮汐の観測:グローバルな構造 4.大気重力波の観測:局所構造、微細構造 5.中間圏温度構造の観測:長期トレンドの検出 (3)「気象力学における非線形問題」 講師: 余田 成男 (京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻・教授) #余田教授は京大地惑COEの拠点リーダーであり、日本の地球流体 力学および中層大気科学の中心的研究者です。地球流体電脳倶楽 部の創設メンバーの一人でもあります。 日時: 1月31日(土)10時半〜12時、13時半〜15時、15時半〜17時、 2月 1日(日)10時〜11時半、13時〜14時半 内容: 0. はじめに (気象力学とは? 非線型とは?) 1. 基礎方程式系 (段階的近似とポテンシャル渦度力学) 2. 流体要素のラグランジュ運動 (物質輸送と混合過程) 3. 波と流れの相互作用 (赤道域準2年周期振動と成層圏突然昇温) 4. 2次元乱流とパターン形成 (回転球面効果による帯状縞構造) 5. カオスと天気予報 (カオス理論の数値天気予報への応用) %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% ★16年度の大気水圏関係集中講義の担当者と大まかな内容(分野)も、以下 のように決まりました: ・ 藤吉康志(北大低温科学研究所・教授)(雲物理学) ・ 渡部重十(北大院理学研究科・教授)(地球・惑星超高層物理学) ・ 木本昌秀(東大気候システム研究センター・教授)(気候力学) ・ 中村 尚(東大院理学系研究科・助教授)(大気・海洋・陸面相互作用) %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%