明日午後5時からCOE研究員である竹内拓氏の研究紹介セミナー
を行います。他分野の方にも分りやすく話して頂きますので、
分野を問わず皆様是非御来聴ください。よろしくお願い致します。

日時:11月5日(水) 17:00−18:30
場所:自然科学3号館 609号室
講演者:竹内拓氏
題目: 降着する原始惑星系円盤でのダストの移動
要旨:
生まれたばかりの若い星のまわりには、取り残されたガスとダストが円盤状に
取り囲んでいる。これを原始惑星系円盤といい、この中で惑星が生まれる。原始
惑星系円盤は、そのほとんどが水素やヘリウムのガスであるが、惑星形成の主役
となるのは、わずかにあるダスト(氷や土ぼこり)である。このダストが、原始
惑星系円盤の中でどのように分布しているのか、ということはよくわかっていない。
つまり、惑星の材料がどこにどれだけあったのか、というのはよくわからない。
このことを考えるために、原始惑星系円盤のガスの中で、ダストがどのように移動
していくのか、ということを調べてみた。この問題は30年近くも前にAdachiたちに
よって考えられたのであるが、私の話では、ガス円盤自体が降着していること、
円盤の厚み方向の構造を考えに入れたこと、が新しい点である。その結果、ガス円盤
は中心星に降着して失われていくにもかかわらず、10ミクロン程度より小さいダスト
の降着は妨げられ、原始惑星系円盤の中に貯められていくことがわかった。これに
より惑星の材料が増え、惑星が作られやすい環境をつくる新しいメカニズムとなる
と考えている。