COE談話会のお知らせです。
多くの方々の参加をお待ちしております。

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日時:5月19日(水) 17:00-
場所:自然科学3号館 609号室
発表者:佐藤文衛
タイトル:「恒星視線速度精密測定と太陽系外惑星探し」


要旨:
惑星の万有引力が引き起こす恒星の微小な視線速度変化をとらえることにより、
これまでに約120個の太陽系外惑星が見つかってきた。視線速度の測定精度は
長らく約3m/sが最高であったため、土星クラスの惑星が検出限界となっていた
が、最近1m/s以下の精度が達成され、地球型惑星の検出も視野に入ってきた。
我々のグループも、1997年頃からこの技術の開発に取り組んでおり、現在、岡
山天体物理観測所188cm鏡とすばる望遠鏡において約5m/sの精度を達成している。
これを用いて、2001年からは岡山観測所でG型巨星と呼ばれるタイプの星を対象
に惑星探しを行なっている。G型巨星は自転速度が小さく恒星表面も比較的安定
しているため、巨星の周りの惑星探しに適したターゲットであると同時に、主系
列段階では困難な中質量星での惑星検出が可能になる。太陽とは質量や進化段
階が異なる星の惑星系の様子を調べることにより、惑星系の形成と進化を統一的
に理解したいと考えている。そして昨年、一つ目の惑星発見に至った。
本講演では、視線速度精密測定の方法と世界の系外惑星探しの状況、そして、
我々のG型巨星惑星探しプロジェクトについて紹介する。