下記の講演会を行います。よろしくご参加下さい。 日時:7月6日(火)17:00〜18:00 場所:自然3号館609セミナー室 講師:木多紀子氏(産業技術総合研究所) 題目:コンドリュールの26Al年代測定と初期太陽系の進化 要旨: 若い星の赤外線天文観測からは星の周りに塵とガスがらなる円盤が存在してい る事が示唆され、惑星はそこから形成されたといわれている。一方、未分化な 隕石中に普遍的に見られるコンドルールはそのような原始惑星系円盤中の加熱 現象を通して作られたと考えられている。半減期73万年の26Alから壊変した 26Mgの過剰をコンドルール中のミクロなスケールの同位体分析によって検出 し、コンドルール形成時刻を推定すると、太陽系誕生後、約100-300万年の期 間に渡る事がわかった。これは赤外線観測から得られた古典的Tタウリ型星の 平均的寿命とよく一致し、コンドルールが原始惑星系円盤中で作られた事の強 い証拠である。さらに、コンドルールの加熱機構として円盤中の衝撃波による 加熱が広く支持されているが、いまだに衝撃波源が特定されていないと言う問 題が指摘されている。コンドルール年代から得られる制約条件をもとにこの点 にも言及したい。