期日: 2012 年 12 月 22 日
場所: 惑星科学研究センター (CPS)
惑星科学の研究成果は科学への興味の糸口として様々な機会に幅広く取り上げられてきています.一方惑星科学は新しい研究分野であり,従来の教育の場でその取り扱いが明確にされているわけではありません.高校・中学などの教育の現場では惑星科学は「地学」の括りで教えられている場合が多く,その地学は現在の高校理科教科においては履修できる場が減少している現状です.この波は大学での初年度教育・教養課程教育にも及ぶことが懸念され,惑星科学の今後を語る上でも無視できない状況となっています.一方で,惑星探査などには多くの市民が関心をよせ,またよりよい社会あるいは自然災害に備えるために地球について学びたいと考えている市民も多数存在します.
このような現状を踏まえ,高校や中学,社会一般の現場で惑星科学の成果をどのように伝えたら良いのか?従来の教育体制のなかでの物理・化学・生物・地学という縦割り型科学分類の枠組みを外れたところに「惑星科学」が果たし得る役割があるのではないか?などの視点に立った情報交換や議論を行いたいと思います.
本会では高校の教育の現場で地学・惑星科学の教育に従事されている先生方から,その取り組みの実情,問題点を明らかにして頂きます.その延長線上で科学啓蒙活動や大学初年度教育と高校とのインターフェースの問題点などを紹介して頂きます.惑星科学の研究者側からは,惑星科学の新しい視点である「Habitability」が教材としてどのような可能性があるのか,幾つかの例に基づいて説明をして頂きます.
科学と社会のつながり,科学の教育,惑星科学の将来などに興味をお持ちの方々の積極的なご参加をお願い致します.
本セミナーの動画と講演資料はCPS MOSIRプロジェクトのサイト上にアーカイブしております.
こちらからごらんいただけます.
栗田敬(東大地震研),木村淳(CPS/北大),倉本圭(北大),久利美和(東北大),はしもとじょーじ(岡大)