日時: | 2011 年 8 月 4 日(木) 15:30-16:30 |
場所: |
北海道大学理学 8 号館コスモスタジオ |
講演者: | 柿並 義宏 (北海道大学) |
世話人: | 堺 正太朗 |
タイトル: | 地震に関連する電離圏擾乱〜最近の研究の紹介と東北地方太平洋沖地震事例紹介〜 |
abstract: |
大きな地震の後に,地震動により大気波動が励起され,その波動が熱圏まで伝わり,電離圏の擾乱を引き起こすことが明らかとなってきた.一方で,1990年代後半から電離圏ピーク密度(foF2).2000年ころから電離圏全電子数(TEC) に地震前,異常が見られるという報告がなされるようになってきた.これらの報告は台湾の Chi-Chi 地震(1999/9/20), 中国 Wenchuan 地震(2010/4/14), Haiti 地震(2010/1/12), Sumatora 地震(2004/12/26)で報告されている.これらの現象の統計的に有意性について,foF2を用い,台湾の地震で調べらている(Liu et al., 2006).それに加え,全球 TEC マップ(GIM)を利用し,世界各地で起こったM6以上の736の地震に対し,地震前にTEC 異常が見られるかを調べ,地震の規模,深さ,地震までの日数に関係した異常が検出された(Le et al., 2011). これらの研究を紹介しながら,2011年3月に起こった東北地方太平洋沖地震で見られた電離圏擾乱について紹介する. 参考文献: Liu et al., 2006, JGR, doi:10.1029/2005JA011333. Le et al., 2011, JGR, doi:10.1029/2010JA015781. |