日時:2008年02月29日(金) 10:40-12:10
場所:自然科学研究科3号館5階 508号室
講演者:
関根康人 (東大・新領域)
タイトル:
タイタン大気における有機物エアロゾルの役割
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Abstract
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タイタンとは、土星系最大の衛星で、窒素を主成分とし数%のメタンを含む分厚い大気
(地表面で約1.5気圧)を持っている。これまでの惑星探査の結果、タイタンの大気中
には全球を覆う濃密な有機物エアロゾル層が存在していることが知られている。本研究
では、これまで全く調べられてこなかったエアロゾル表面の水素原子との不均一反応に
注目し、この不均一反応のメカニズムを実験的に明らかにし、定量的な反応率を求め
た。
そして、実験データを大気化学モデルに組み込むことにより、エアロゾルがタイタン
大気
全体の物質循環(水素循環)に果たしている影響を調べ、この反応による活発な水素
原子
の消費が、現在の大気組成を実現するための鍵であることを示した。また、これらの
実験
データは、カッシーニ・ホイヘンス探査によるタイタンの新たな観測結果の解釈や詳
細な
大気進化モデルの構築に対しても重要な基礎データとなる。
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