第 3 回 CPS 衝突実験実習 テーマC

衝撃波の可視化実験

実験装置

テーマ1:アクリルを伝播する衝撃波の観察と衝突破壊実験

二段式軽ガス銃

図1:二段式軽ガス銃

一段目の銃身にヘリウムガスを満たし、そのガスを火薬で加速したピストンで圧縮することにより、瞬間的に高温・高圧のヘリウムガスを得る。このガスにより二段目銃身の先端に設置された弾丸を加速する。一段目に詰めるヘリウムガスの圧力や火薬で加速するピストンの速度を調整することにより、2-4km/sの衝突速度を得ることが出来る。
レーザー速度計測装置

図2:レーザー速度計測装置

弾丸の飛翔速度を計測するための2つのシートレーザーとフォトダイオードセンサーを組み合わせた装置。シート状のレーザー中を弾丸が通過する時、弾丸に遮られた分だけレーザー強度が減少する。この減少分を信号としてフォトダイオードで検知する。あらかじめ測っておいた2つのシートレーザーの間隔を、それらから発せられる信号の時間差で割ることにより飛翔速度を求める。
高速度カメラ
毎秒100万コマの撮影速度で動画を保存できる装置。実験室スケールでは1km/s以上での高速度現象も撮影することが出来る。この場合は、通常トリガーを用いて撮影を開始する。

テーマ2:空気中を伝播する衝撃波の観察

衝撃波管

図3:衝撃波管

実験室で衝撃波を作る際に最も良く使われる装置。隔膜で区切られた2つの部屋の片方に高圧ガス、もう片方に低圧ガスを注入し、隔膜を破ることによって衝撃波を発生させる。本実験では針でセロハン膜を破るという方式を用いた。
マッハツェンダー干渉計

図4:マッハツェンダー干渉計

空気中の密度ゆらぎを観察したい時に用いられる干渉計。 ハーフミラーによって分岐した2つの光路の光路差を利用する。光路の間に何も挟まない状態で干渉縞を作っておくと、一方の光路の途中に透明体の被測定物を入れた時に屈折率が変化した部分だけ干渉縞が変化する。本実験では、衝撃波が空気中を伝播する様子を見るために用いている。

実験条件

テーマ1:アクリルを伝播する衝撃波の観察と衝突破壊実験

プロジェクタイル
直径6.4mm、質量0.155gのナイロン弾丸を用いた。
ターゲット
材質はアクリル、ガラスの2種類。アクリルはサイズを様々に変えて実験を行った。
表1:ターゲットの詳細
材質 形状 質量 [g] サイズ [mm] 衝突速度 [km/s]
アクリル 立方体 146.2 一辺50 2.17
アクリル 立方体 32.2 一辺30 1.98
アクリル 立方体 9.1 一辺20 1.87
アクリル 円柱 29.8 高さ20.0、直径40.0 2.09
ガラス 立方体 518.3 一辺60 1.88

テーマ2:空気中を伝播する衝撃波の観察

衝撃波管の高圧部に入れるヘリウムの圧力を様々に変えて実験を行った。
表2:高圧室の気体の種類と圧力
気体名 圧力 [bar]
ヘリウム 1.5
ヘリウム 1.7
ヘリウム 2.0
ヘリウム 2.3
ヘリウム 3.2
ヘリウム、空気 各1.0

Last modified: 10.12.24
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