テーマ1の実験結果と考察
衝撃波速度と圧力
撮影した画像から衝撃波速度を読み取り、衝撃波面の到達距離を横軸にとってプロットしたのが図1である。 さらに、ユゴニオの式に得られた衝撃波速度を代入して衝撃波圧力を求め、それを縦軸にとって同様にプロットしたものが図2である。破片質量と積算個数
4mm以上の大きな破片については個々に質量を測定した(図1)。4mm以下の小さな破片については、あるふるい目に残った破片の質量をはかり、これと破片1つの質量から個数を求めた。なお、破片の体積は、1つ大きなふるい目との平均の目を直径とする球で近似し、これに密度をかけたものを破片1つの質量としている。
アクリルのグラフからは、
・サイズが小さいほど最大破片が小さい
・サイズが小さいほど破片数が多い
・サイズが小さいほど最大破片からの傾きが急になる
・破片質量の小さいところでは傾きはサイズによらない
などが分かる。
また、アクリルとガラスのグラフを見比べると、破片質量の小さいところでガラスのほうが傾きが急になっている。 これはガラスよりもアクリルの方が延性があり、破壊によって得られる小破片が伸びてサイズが大きくなるためだと考えられる。
テーマ2の実験結果と考察
衝撃波下流を影写真法を用いて撮影したところ、図3のように衝撃波面が移動していく様子を見ることが出来た。
これらの画像から衝撃波速度を読み取り、初期圧力比とともにプロットしたところ、図4のようになった。
その原因として、真空を引いたり高圧のヘリウムガスを入れたりした時に、 両室の圧力差に負けてセロハン膜が伸びてたわんでしまったことが考えられる。 これによって衝撃波の波面が歪むなどして、速度が落ちてしまったのかもしれない。 また、針の刺さり具合やセロハン膜の割れ方にも影響するだろう。
解決策としては、真空を引いたりしてもたわまず、なおかつ全体が一斉に割れるような膜 (例えば、金属製のダイヤフラムなど)を用いることが挙げられる。 また、低圧室側でも真空を引くことによって、両室の圧力差が比較的小さい状態で初期圧力比を大きくとることが出来る。 (ただしこの場合、衝撃波下流を開放したままには出来ないので、装置に何らかの工夫が必要である。)
Last modified: 11.01.12
Copyright © 2009-2010 Impact Research Group. All rights reserved.
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